OverTheBorder

不要なものなど何ひとつない……ゴミから生まれる独創的なアート

世界各地のフェスで創作活動を行うスクラップ・アーティスト。ゴミをアートへと昇華する、そこに込められた思いとは……。

R領域……それは、脳の最深部にあるひとつの領域のこと。

 

これほどまでに進化した現代社会においても、脳はその仕組みをはじめまだまだ解明されていないことが多い未開の場所。なかでも、この領域は「生命維持のための働きを成す」、「攻撃的な本能を司る」、「虫の知らせなどある種の予知的な機能がある」など諸説あるようだ。

そんな未知なるものをあえて名を冠したアーティスト:R領域、本名:山田卓生。

 

2001年以降は長田道夫をはじめ多くの仲間とともにアートクルー:R type Lとしても活動する彼は、混沌とする社会の中で継続的に多発するパーティ、アンチ資源浪費型社会のための創造、そして独自の自然観や旅行愛をコンセプトに活動を開始。

 

その表現方法は世にはびこるゴミ・廃材(スクラップ)や植物などから美を見出しアートへと昇華させる、いわばスクラップアートといわれるスタイル。主な表現の場としては「ART camp」などのアートイベントはもちろんのこと、アメリカはネバダ州で開催される世界屈指のアートの祭典「Burning」にオーストラリアの「Maitreya Art &Music Festival」に参加。国内でも「FUJI ROCK FESTIVAL」や「SUMMER SONIC」をはじめとする音楽フェスやパーティ・イベントなどでもインスタレーションやデコレーションの制作を行い活躍。近未来的かつ幻想的な、その独特の感性は国内外で高い評価を獲得している。

 

スクラップアート≒ジャンクアートとも言われるその分野は20世紀に発展し、その自由さ故に現在も多くの作品が生み出され、いまや専用の美術館が存在するほど確立されているが、R領域はそういった正統的なアートの系譜に連なるものではない。

アートはアートでも、より非日常空間における機能性に特化し、さらには特定の場所、期間という限られた中で生まれる何かを求めているきらいがある。それはまさにフェスやイベントの概念とリンクし、その享楽的な空間をより増幅させ、彩りを与えている。

 

さらには、思想的な部分でも両者は通じるものがある。それは平和への思い。現代社会におけるエッジーな場所、いわば辺境で思いを共有する仲間たちとともに楽しむ……そこから平和の革命を推進している彼らだが、人間に不必要なゴミをアートへと転換するその工程のなかには、どこか「世の中にゴミなんていない、そう思えるものも輝かしきアート、作品へと昇華できる」そう言っているようにも感じる。誰もが輝くことができる社会、それこそ平和な世界と言えるはずだ。

 

ゴミからアートへ、まさに“Over The Border”なその作品の数々を、ぜひ一度体感してほしい。

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