OverTheBorder

絶えず進化し続ける世界の歌姫が導く新たな世界

世界の歌姫Björkが押し進める「Björk Digital」。既存の概念を超えたその新たな表現が生み出すものとは?

たとえ世界の頂点に登り詰めようとも、そこであぐらをかいていればその栄華も一瞬のうちに瓦解する。アーティストたるもの絶えず何かに挑戦し、進化し続けなければならない……そう改めて思わせてくれるのが、世界の歌姫Björk。

幼い頃から音楽を学び、それこそ10代のころから活動を開始。以降、ソロとして、時に様々なバンドで時代時代の音楽性を昇華し、革新的なサウンドを生み出してきた彼女。過去にはグラミー賞をはじめ、数多くの音楽賞を受賞するなどその功績は眩いばかりの輝きに満ちているが、Björkの最大の魅力と言えばやはり常に進化し続けるその姿勢だ。

長年シーンの最前線を走り、50歳を超えた今でも彼女は進化の歩みを止めることがない。その証左が近年彼女が押し進めている最先端のテクノロジーと音楽との融合。「Björk Digital」と名付けられたそのプロジェクトは、既存の音楽体験を拡張し、新たな世界への扉を開く超実験的なもの。

 

2016年にオーストラリアはシドニーで開催されている音楽フェス「VIVID SYDNEY」でお披露目されて以降、日本にも同年上陸。18日間に渡りお台場の日本科学未来館で行なわれ大きな話題となった。そして、その後もロンドン、モントリオール、レイキャビク、ヒューストン。2017年に入ってからもメキシコシティで開催され、今後もロサンジェルス、そしてバルセロナでも行なわれる。

このプロジェクトがどんなものかと言えば、Björkと世界的映像クリエイターやプログラマーとのコラボにより、彼女のミュージックビデオを新たにリビルドしVR化。VR用のヘッドセットを使って観ることで、360度展開されるその映像世界に入り込み、Björkの世界観を身を持って味わえるという新感覚の体験。日本科学未来館で展示された3つの作品、「Stonemilker VR」では彼女が歌う姿をあたかも間近で、なおかつ様々な角度から観ることができ、さらに「Mouthmantrar VR」では歌っている彼女の口の中に入っているかのようななんとも衝撃的な体験が可能となっていた。

björk: stonemilker (360 degree virtual reality)

björk: mouth mantra

Björk ‘Notget VR’

彼女自身、日本科学未来館では来場者に向け「単にミュージックビデオが進化したものではなく、もっとロジカルで親密なパワーを秘めている」と語っていたが、その可能性は確かに興味深い。使い方次第であらゆることが現実かのように目の前に現れることになるだろう。そして、それはアーティストと鑑賞者におけるこれまでにないコミュニケーションを生み出し、新たな関係性を築くことができるはずだ。

音楽というひとつの分野における進化はもちろんのこと、そこから逸脱し新たな表現を求めるBjörk。彼女こそ既存の概念を超えた、まさに“Over The Border”の体現者と言えるだろう。

 

そして、気になるのは「Björk Digital」はまだまだ模索&進行中の段階にあるということ。テクノロジーの進化とともにさらなる体験が可能になるだけに、今後もその動向が実に気になるところである。

 

さらには、そんな彼女は今年「FUJI ROCK FESTIVAL」に出演することが決まっている。「Björk Digital」を経て彼女のパフォーマンスがどのように進化したのか、それもまた楽しみだ。

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